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「理想の詩」Close Up(2015年秋号)

シルクスクリーンの可能性を求めて - ゴッコプロが広げる世界でひとつのものづくり

女性クリエーターを中心に多くの愛読者をかかえるウェブマガジン「箱庭」。
その主催イベントで理想科学のシルクスクリーン製版機「ゴッコプロ」が活用された。
クリエーティブな活動をサポートする理想科学の役割やゴッコプロの可能性について探る。

自分たちで刷ったトートバッグとクッションカバーを手に笑顔の参加者たち。「色合わせを悩むのも楽しかった」「いろいろ工夫ができそう。刺激になりました」「またチャレンジしてみたい」などの声が聞かれた。

クリエーターの発想を具体的な形にする手伝いを

  「わあ、こんな風に仕上がるんだ!」「かわいい!」会場中から感嘆と驚きの声が上がる。とある日曜日にビルの屋上スペースで行われたシルクスクリーン印刷を体験するワークショップの一幕だ。このイベントはクリエーティブな活動を行う女性向けのウェブマガジン「箱庭」と、理想科学が運営するオンラインサービスサイト「UKIMA FACTORY」の共同開催。「楽しくてためになる体験をシェアし、読者が交流できる場になれば」と箱庭編集部の秋山史織さんは話す。
 ワークショップのテーマは、「アナログが生み出す色の重なりを楽しもう」というもの。シルクスクリーン印刷は孔版印刷の一種。メッシュ状の版の印刷したい箇所に孔を開け(製版)、版の上にインクを置いてスキージ(ヘラ)で延ばすと、孔から出たインクが下の素材に転写されるという技法だ。一般的には製版の際に薬品を用い、それを洗い流す作業が大変なのだが、「ゴッコプロ」ならパソコンのデータを直接送るだけで簡単に製版でき、手軽にシルクスクリーン印刷を体験することができる。
 今回は12名の参加者がトートバッグとクッションカバーへの印刷に挑戦。各自好きなインクを選び、スタッフのアドバイスのもと、2枚の版を使って印刷していった。インクの濃さや色の重なりは人それぞれで、どの作品も個性が感じられる仕上がりに。改めて手仕事の味わいや表現の幅の広さが感じられる体験となった。
 「シルクスクリーンという名前だけは知っていても、仕組みがよくわからない、難しいというイメージを持つ人は多いと思います。でも今回ゴッコプロを利用してみて、思っていたよりも簡単だと知ってもらうことができました。これだけ手軽にシルクスクリーン印刷ができるなら、クリエーターの創作の幅ももっと広がるかもしれませんね」と秋山さん。世界で唯一のものをつくれるのがまさに手づくりの醍醐味。シルクスクリーンを通して、印刷の本来の楽しみ方や可能性を教えてくれるワークショップとなった。

ふだんからさまざまなものづくりを楽しんでいる参加者たちだが、シルクスクリーン印刷は初めてという人がほとんど。インクを延ばすときの少し不安げな表情も、仕上がりを見た瞬間ぱっと笑顔に。

色の重なり合いを味わえるようなデザインを採用。同じデザイン原稿でも色使いや版の重ね具合によってそれぞれの個性が生きた印象的な作品がいくつも生まれた。

ゴッコプロはシルクスクリーンの版をつくるデジタルスクリーン製版機。パソコンのデータを直接製版できるので、プリンター感覚で誰でも簡単に製版できる。素材に合わせてインクを選べば布はもちろん木材やプラスチックにも印刷可能だ。

箱庭 キュレーター 秋山 史織さん

アート、デザイン、雑貨、カメラ、旅、食、本、DIYなどに関する体験などのさまざまな情報を毎日発信するウェブマガジン。日々の中に見え隠れする「なんかいいな」と共感できるモノ・コトを、女性クリエーター同士で共有することを目指す。イベント開催や書籍の発行なども行う。
http://www.haconiwa-mag.com/

理想科学が運営するシルクスクリーンとツヤプリ印刷(盛り上がった隆起印刷)のオンラインサービスサイト。印刷を使ったさまざまなワークショップを開催するほか、サイトからの注文も受け付けている。
http://www.ukima-factory.jp

理想科学工業株式会社 プリントサービス部長 兼 企画管理部長 上杉 知也(左)
プリントサービス部 PS営業課長 茅守 隆志(右)
刷り台の蓋を開けたときの皆さんの笑顔を見るのが何よりも嬉しい。シルクスクリーンがここまで手軽に楽しめることを多くの方に知っていただきたいです。

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理想科学工業株式会社 広報部『理想の詩』編集係