Developer Interview開発者インタビュー
Interview 01
今までもこれからも変わらない
挑戦しつづける姿勢
メカ担当
P&Dセンター ME開発部長:
秋山 智之
2000年入社。専門分野はメカ。初代オルフィスHC5000から一貫してオルフィスの開発に携わる。オルフィスFW以降の開発では、インク接液部の担当リーダーを務める。
初代オルフィスHC5000に携わった頃、どんな想いで開発に臨まれていましたか?
『理想科学の初挑戦に関われるという期待感』
入社2、3年目にして理想科学で今までやったことのないことに携われることにすごくワクワクしていたと思います。もちろん新しいことにチャレンジするということは前例のない課題に自ら解を導いていかなければならない不安もありましたが、理想科学「初」のフルカラープリンターの開発に携われる期待の方がかなり大きかったと記憶しています。
世界最速を更新し続けるオルフィスの開発において、メカの観点からどんな技術や工夫をされてきましたか?
『搬送経路の見直しが世界最速への道を拓いた』
速度を追い求める上では用紙への負荷、つまり抵抗をできるだけ下げる技術が非常に大切です。そこでシミュレーションの活用により搬送経路内における用紙への負荷を極限まで軽減し、駆動機構や制御の見直しなどにより次々と搬送する用紙と用紙の間隔を狭くすることに取り組んできました。また、高速化による発熱対策としてヘッドやインクの冷却性能の向上も開発を成功に導く上で重要な技術のひとつでした。世界最速の印刷スピードを達成し続けているのはその結果だと思います。そして何より、メカの担当だけではなく各分野の方々が同じ方向に向かって一緒に挑戦してきたことが1番大きな力になっていると思います。
初代から現在までで一番苦労したこと、逆に嬉しかったエピソードをお聞かせください。
『苦しみを乗り越えた先にあった最高の達成感』
1番苦労したのはオルフィスFW・GDの製品開発です。というのも、それまではずっとオリンパスとの共同開発で、理想科学はインクや給排紙等の高速搬送経路を担当、オリンパスは、プリントヘッドまわりを担当していましたが、FW・GDから全ての設計が理想科学の設計に変わりました。今までオリンパスが担当していた部分、特にインク供給、循環、メンテナンスの開発に携わったことです。正直、最初は色々と不具合も出ました。製造、営業、サービス、いろんな部門にかなり迷惑をかけながらも、一つひとつ課題を着実に解決して、一歩づつ前進していけたことが、オルフィスFWの販売に繋がったと思っています。1番嬉しかったことも全く同じで、苦労した分ようやく販売に漕ぎ着けたことです。初めてすべての設計を理想科学の技術で実現し、販売に漕ぎ着けたことは、20年間で一番達成感を味わった経験でした。
オルフィスの価値、魅力は何だと思いますか?
『世界最速に挑み続ける姿勢』
世界最速の印刷スピード、それに尽きると思います。印刷コストが安い、多彩なオプション製品など、多くの魅力がありますが、オルフィスの価値と魅力は、世界最速に挑戦し、それを常に更新し続けているところにあるのではないでしょうか。
今後のオルフィスの進化について、開発者としての展望をお聞かせください。
『20年前から思いは同じ!ライバルはデジタル印刷機』
これからも世界最速は求め続けたいと思っています。20年前からずっと当社のデジタル印刷機であるリソグラフに追いつきたいという思いを抱いており、今もその思いは変わりません。リソグラフの最高速度は毎分190枚ですが、オルフィスはそのハイスピードには未だ達していません。ですから、より早い速度でのカラー印刷、そしていつかリソグラフを追い越すことを目指してこれからも新たな技術にチャレンジしていきたいと思います。また、世界最速を追い求めつつ、画質の向上やオプション類の充実など、オルフィスの更なる可能性も追求していきたいです。