
環境に配慮した「ライスインク」について学ぼう!
2020年11月14日(土)、茨城県土浦市の常総学院中学校で、小型スクリーン製版機「MiScreen a4」を使ったトートバッグづくりの出張授業を開催しました。
常総学院は、社会に貢献する21世紀型リーダ-の育成を目指し、「JOSO Core
Skill」と呼ぶ自己肯定力、学力、タフネスの3つを身につけることを目標とする中高一貫校です。11月14日(土)に理想科学が行った出張授業には、中学3年生、32人(6グループ)にご参加いただきました。
「当校ではキャリア教育の一環として、企業の方からお仕事の話などを伺う機会を設けています。今回のようなコラボレーションはとても良い学びの機会であり、またSTREAM教育の面からも積極的に設けたいと思い、是非お願いしたいと考えました。」と担当の祐源愛先生は話します。
この出張授業は、理想科学の事業内容や取り組みを紹介したうえで、「MiScreen a4」に使用されている孔版印刷の仕組みを解説し、実際に印刷体験をしてもらうというものでした。
「MiScreen
a4」は、絵柄などを手軽に製版できる製版機です。読み取った原稿を元にスクリーンに熱で孔を開け、インクをのせてスキージを引いて印刷します。1時間という短い授業時間内で完成させるため、事前にグループごとにデザインを作ってもらい、パソコンにデータを取り込み「MiScreen
a4」で製版するところからスタートしました。生徒たちはグループ学習で相談し、その後も随時集まってデザインを仕上げたそうです。
当日は教室内に「MiScreen
a4」を2台用意し、グループごとに製版をしました。作業を静かに見守っていた生徒たちですが、製版されたスクリーンを空にかざして自分たちが作ったデザインがきれいに浮かび上がったのを確認すると、誰からともなく、「うわー!」「すごい!」と歓声が上がりました。
製版の次はいよいよ印刷です。まずは、インクをのせずにスクリーンの上でスキージを動かしてみます。スクリーンが音を立てるように引くのが成功の秘訣と教えると、生徒たちは頷いて次々と練習をし、本番に臨みました。「仕組みは簡単だけど、印刷のときには、力の加減や角度を考えないといけないのがちょっと難しかったです」「きれいに印刷できることにびっくりしました」「みんなでいいものをつくりたかったので、うれしいです」と話してくれました。
完成した「世界に一つしかないトートバッグ」。「自分たちのオリジナルデザインでつくることをとても楽しみにしていました」と祐源先生。
6つのグループに分かれて、ワークショップを実施。理想科学の社員が生徒たちをサポートし、印版の仕方を指導した。
印刷が薄くなったり、ちょっとずれたりした生徒もいましたが、“世界にひとつしかないトートバッグ”が完成。生徒たちは満足したと思います」と3年で担任を持つ堀越早紀先生。
「1色という制限があったことが絵柄を決めるときの想像力を掻き立てたと思います。たとえば別の色や絵柄を重ねるなどで、より高度なデザインを作ることもできますね。完成度が高いので生徒自身がオリジナルTシャツづくりなどに使うこともできそうです」と美術担当の榎本篤先生は振り返りました。
「今回の授業は体験して形になるという楽しさがあり、どの生徒も生き生きとした表情で参加し、印刷についても学ぶことができました。仕事に関するお話をしていただいたのも、社会のことを知る良い機会になりました」と祐源先生は授業の成功を口にしました。
さらに、「授業で使用するだけでなく、文化祭や体育祭などで着るオリジナルTシャツをつくってみたいですね。制作過程でクラスやグループの親密度が増すでしょうし、自分たちでつくることで愛着がわき、ずっと大切にしてくれると思います」と祐源先生と堀越先生は話してくれました。
(理想科学工業株式会社ホームページ「RISO ART」WORKSより)