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「理想の詩」「オルフィス」誕生20周年特別企画(2023年冬号)

世界最速を更新し続けて20年 ― 「オルフィス」が拓くカラープリントの新たな地平

2003年の誕生以来、20年にわたり世界最速プリントスピード※1を更新し続けている「オルフィス」シリーズ。その開発の裏側に迫ります。

「オルフィス」がオフィスに提供してきた高い生産性と信頼性という唯一無二の価値

2003年、当時孔版印刷専業だった理想科学が新たに進出したのがインクジェット事業です。その第1弾の製品として誕生したのが、毎分105枚でフルカラー印刷ができる高速インクジェットプリンター「オルフィスHC」でした。オフィスではまだモノクロ印刷が主流で、コストが高く時間もかかるカラー印刷はなかなか身近な存在ではなかった時代に、モノクロ並みの手軽さで使える「オルフィス」を生み出し、世の中を驚嘆させました。以来、続々と誕生してきた後継機はつねに世界最速のプリントスピードを更新し続け、現在の最新機となる「オルフィスGL」シリーズでは毎分165枚のスピードを実現。文書の三つ折りや封入・封かん、くるみ製本などが自動でできる多彩なオプション群も擁し、その圧倒的な生産性で、「オルフィス」は世界中の学校や自治体、一般企業、印刷業などで活躍の幅を広げ、20年にわたりカラープリントの新たな価値をもたらしてきました。
さらに環境面でも、使用済み「オルフィス」は検査・分解・リペアされリユース機として生まれ変わるほか、インクの処方を見直すことでVOC(揮発性有機化合物)を削減しエコマークを取得するなど、お客様に環境負荷の低い製品を使っていただくための工夫を徹底しています。
「社内でも誰もやったことがないことに挑戦できることに、少しの不安と大きな期待を抱いていました」。用紙への負荷を可能な限り抑える搬送技術を実現し、「オルフィス」の進化を機械系から支えてきた秋山は「オルフィスHC」開発当時をそう振り返ります。「人が生まれてから成人するくらいの年月にわたり、お客様に愛されているのは感慨深いですね」と話すのは、「オルフィスFW」「オルフィスGD」以降、画像処理開発を担当する下村。それまで4色だったインクにグレイを加え、画質の向上とインク消費量の低減を実現しました。初代「オルフィス」から関わってきたインク開発担当の遠藤は、「油性顔料インクは品質が変化しにくく、高速搬送には不可欠な選択でした。用紙変形がないためフィニッシャーによるさまざまな後処理加工も可能になり、さらなる拡張性へとつなげることができました」と話します。
開発者3人が口を揃えるのは、各担当部門による不断の努力と同様に、部門同士がつねに連携し、マッチングを行う印刷プロセス最適化技術こそ、「オルフィス」の唯一無二の価値を生み出しているということ。そして、「オルフィス」で培ったインクジェットエンジン技術を応用して生まれた「バレザス」は、いま新たにプロダクション市場にも可能性を拡げています。「オルフィス」の挑戦と進化はこれからも続きます。

写真左から、インクジェット画像処理担当の下村、機械系担当の秋山、インク処方設計担当の遠藤。部門の垣根を越えて密に連携しながら、「オルフィス」20年の歴史を支えてきた。

「オルフィス」ユーザー歴20年「玉子屋」を訪問!

株式会社玉子屋
代表取締役社長 菅原勇一郎さん

1975年創業の株式会社玉子屋。お弁当のメニュー表印刷やマーケティング活動に初代HCの時代から「オルフィス」をフル活用されています。「オルフィスは玉子屋にとって、なくてはならない存在。だからこそずっと使っています」と菅原社長はお話くださいました。

毎日4万食にのぼる日替わり弁当を製造・配達している。創業以来、食材と美味しさにこだわり原価率は50%を維持している。受注数管理を徹底し廃棄ロスは0.1%以下を誇る。

「オルフィス」で印刷された玉子屋さんのお弁当メニュー。

「オルフィス」の新たな進化系 カット紙高速インクジェットプリンター

「オルフィス」開発で培った技術から2019年に生まれたのが、両面毎分320ページの速度を誇るカット紙高速インクジェットプリンター「VALEZUS T2100」。
プロダクション市場向けながらコンパクトなシステムで、最新機種「T2200」では両面毎分330ページの速度を実現。
欧米を中心に大量印刷用途で活用されている。

※1 オルフィスGL9730の場合。A4普通紙片面横送り、標準設定連続プリント、GDフェイスダウン排紙トレイ使用時。オフィス用カラープリンターにおいて世界最速(データ・サプライ調べ:2023年3月現在)。オルフィスシリーズは平成15年(2003年)の発売時から20年連続世界最速を達成。
※2 各製品のプリントスピードは製品カタログの記載内容より抜粋しています。


  • 次回2024春号は3月上旬のお届けを予定しております。

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