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「理想の詩」Close Up(2018年秋号)

人気コミック『宇宙兄弟』と、ものづくり その接点にシルクスクリーン

2018年4月、東京・渋谷の「FabCafe」で、「ゴッコプロ」を使い、人気コミック『宇宙兄弟』のキャラクターをトートバッグにプリントするワークショップが開催された。コミック、カフェ、ものづくりという異色の組み合わせが何を生み出したか、その模様を追いかけた。

『宇宙兄弟』のキャラクターをトートバッグに印刷。鮮明な刷り上がりに、参加者の誰もが満足の笑顔になる。

「ゴッコプロ」を使って ライブ感覚で印刷を体験

東京・渋谷にある「FabCafe」は、さまざまなジャンルのクリエーターや、クリエーターを目指す若者の利用が多い「クリエーティブ・コミュニティ」。単なるカフェと異なるのは、レーザーカッターや3Dプリンター、UVプリンターやデジタル刺しゅうミシンといった機器が並んでいることだ。同カフェのディレクターである大島悠さんは「お茶はもちろん、ものづくりも楽しめるスペースになっています」と言う。
 
今回、『宇宙兄弟』とコラボレーションしたイベントが「FabCafe」で開催された。『宇宙兄弟』は一緒に宇宙飛行士になるという夢の実現を目指す兄弟を描いた人気作品で、作者は小山宙哉。アニメ化、実写映画化もされ、雑誌の連載は10年以上続いている。
同作品をマネージメントしている株式会社コルクの仲山優姫さんは「『宇宙兄弟』には、ものづくりに携わっているエンジニア、クリエーターなどのファンも多く、これまで2回行ったイベントも反響が大きかったですね」と、コラボレーションの理由と効果を説明する。今年の4月から5月にかけて行われた3回目のイベントでは、「自分でつくる宇宙兄弟」というテーマに合わせて、デジタルスクリーン製版機「ゴッコプロ」を使ったワークショップが実施された。『宇宙兄弟』のキャラクターを製版し、その場でトートバッグに印刷するもので、参加したファンなどが思い思いにオリジナルバッグづくりを楽しんだ。

大島さんは「ライブ感覚で手軽に印刷することができ、ものづくりの楽しさを知る入門編として最適」と語り、仲山さんも「テーマにフィットした企画で、『宇宙兄弟』の世界を広げることができました」と手応えを感じているようだった。マンガとものづくりとの組み合わせが生み出す面白さや、新しい可能性を求めて行われた今回のイベント。「ゴッコプロ」によって、その目的は達成できたと、大島さん、仲山さんともに評価している。

「ゴッコプロ」はデジタル製版方式なので薬品の使用や洗浄の工程が不要。その場ですぐに製版できるので、「実験的な試みが手軽にいろいろとできる」「制作の幅を広げることができる貴重な機器」といった声がクリエーターの間からもあがっている。

「ゴッコプロ」で製版したマスターそのものも、額に入れて窓際に並べたり、天井からつりさげたりして店内各所に展示。 ふだんあまり目にすることがないシルクスクリーンのマスターが、『宇宙兄弟』の世界を表現するとともに クリエーティブな雰囲気も醸し出し、訪れた『宇宙兄弟』のファンだけでなく一般客にも「面白い」と好評だった。

FabCafe

カフェとクリエーティブな仕事場の両方の顔を持つ空間。 fabには「fabrication(ものづくり)」と「fabulous(愉快な)」の意味が込められている。

宇宙兄弟 Twitter: @uchu_kyodai
南波六太、南波日々人の兄弟が主人公のコミック。2007年から「モーニング」(講談社)で連載。2011年に小学館漫画賞、講談社漫画賞を受賞。


理想科学工業 プリントクリエイト事業部 山本 章
今回のイベントでは「ゴッコプロ」で多くの皆さんに手軽にスクリーンプリントを楽しんでいただきました。また、このような機会があるといいですね!

  • 次回2018冬号は12月上旬のお届けを予定しております。

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