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「理想の詩」Close Up(2020年夏号)

海を越える「RISO ART」韓国のクリエーターを魅了

近年世界中に広がりを見せつつある、「リソグラフ」によるアート表現「RISO ART」。隣国・韓国でも、若いクリエーターを中心に「リソグラフ」を活用したクリエーティブワークが人気を呼んでいるという。現地の“熱”を取材してきた。

同スタジオを訪れるクリエーターは、「リソグラフ」で自分の作品を本やポスターに仕上げたり、イベント用のブックレットや配布物などを印刷している。

韓国のクリエーティブシーンを熱くする「リソグラフ」

「リソグラフ」を擁するアートスタジオ「Corners」があるのは、韓国・ソウルの乙支路エリア。ここは歴史ある東大門とソウル最大の繁華街・明洞のちょうど中間に位置し、特に近年は個性的な飲食店やショップなどが増え、トレンドに敏感な地元の若者を魅了している。「グラフィックデザイナーやイラストレーターといった視覚芸術分野のアーティストはもちろん、美術学校の生徒が課題を印刷することもありますよ」と話すのは、経営者のキム・デウンさん。同スタジオはA3対応のリソグラフ2台と、タブロイドサイズのフライヤーやポスターが刷れるA2対応の「RISO A2 」1台を保有。ポスターや冊子、リーフレット、ポストカード、名刺などの印刷業務以外にも、「リソグラフ」を使ってアートワークを制作するワークショップを開催したり、アーティストとともに出版を企画するなど、「リソグラフ」を基軸に文化、芸術全般でさまざまな活動を展開している。「『リソグラフ』は印刷物に独特の色味と質感を出せます。インクの種類も豊富でたくさんの色を試せるし、手軽なのもいいですね」と、「リソグラフ」が支持される理由を語ってくれた。
「韓国内の20の大学で『リソグラフ』を使った授業カリキュラムがあります」と話すのは、RISO KOREAのチョウ副社長。韓国最大規模のイラスト・グラフィックデザイン専門の展示会「イラストレーションフェア」でも「RISO Graphy」というセクションが複数設けられているそうで、チョウ副社長は、「鮮明なデジタルカラーが幅を利かせる中、その反動でヴィンテージな色味と質感を出せる『リソグラフ』が人気なのでしょう」と分析。また、韓国では若者を中心に個人の価値を尊重するカスタマイズ文化が広がっており、「リソグラフ」はそのニーズにぴったりなのだという。韓国の新世代のクリエーターたちも魅了する「リソグラフ」。海を越えて広がりを見せつつあるRISO ARTの”熱“を実感させられる訪問となった。

A3対応の「リソグラフ」用に24本のカラードラム、A2対応の「RISO A2」用に7本のカラードラムを用意している。

Cornersを運営して9年になるキムさん。今後は「RISO A2」で印刷した出版や展示を企画したいと語ってくれた。
韓国のクリエーターの手による、色とりどりの作品たち。スタジオの利用者からも、「『リソグラフ』はインクの色がきれい」「印刷物に独特の質感が出せる」などの声が寄せられているという。

Corners Studio

キム・デウン氏、チョ・ヒョジュン両氏が2012年、印刷、出版、グラフィックデザイン業務を行うスタジオとして設立。現在2台の「リソグラフMZ」、1台の「RISO A2」を保有。作業スペースと、ショップエリアが併設されている。

RISO KOREA チョウ副社長
アートイベントへの参加だけでなく、今後はRISO ARTのアーティストを発掘・コラボし、独自のイベントを企画していきたいですね。

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