私たちの生活を支えるさまざまな化成品の容器にはられたGHS（世界調和システム）ラベル。化成品の危険や有害性を表示する、輸出入のためになくてはならないものだ。そのラベル印刷にオルフィスEXをフル活用しているという楠本化成株式会社を訪ねた。
北米、中米、南米、欧州、中国と、世界19カ所の代理店と契約しており、製品の提供先は世界に広がっている。
国際基準を遵守して、製品を安全に提供したい
塗料、プラスチック、接着剤、化粧品、医薬品など、私たちの身近にあるさまざまな化成品（化学品）。快適な生活を支えてくれる一方、正しく取り扱わなければ健康や環境に有害な場合もあるが、その危険有害性の分類表示制度は長らく世界で統一されていなかった。誤った取り扱いで起きる事故や、環境への悪影響を防ぐため、国連は世界統一ルール「GHS※（世界調和システム）」を勧告。GHSラベルの普及によって、安全な取り扱いのもと、私たちが健康や環境に配慮した化成品を適切に選択、使用できるよう、2016年までの徹底を促している。「国際基準を遵守して、安心・安全に化成品を取り扱うことは私たちの大事な役目です」と話すのは楠本化成株式会社（以下楠本化成）添加剤事業部の瀬戸政紀本部長。楠本化成は合成樹脂や精密化学品といった化成品を取り扱う化成品専門商社である一方で、オリジナルの添加剤を開発・製造している。
添加剤とは製品の性能をよりよく発揮させる化成品の一種。たとえば塗料に添加することで、船舶の外装のサビを防止したり、自動車の車体に光沢を持たせたり、建物の外壁であれば、液ダレや気泡を防ぎ、塗りやすくするといった働きをする。楠本化成では自社製の添加剤を世界の塗料メーカーに輸出。GHSラベルには、製品名、危険有害性の性質、注意を喚起する言葉など輸出先の法令に基づいた内容がそれぞれ異なる言語で表示されている。「当社で製造している添加剤は約250種。毎日1500枚のラベルをシール用紙に印刷し容器に貼付します。オルフィスは安くて速いだけでなく、熱を使わないのでシールののりも溶け出しません。マークもカラーで印刷できます」と同事業部業務課長の山下博之さん。
「質の高い製品をつくりつつ、適切に取り扱っていただくためのしっかりとした情報提供を今後も続けたいですね」と草加工場工場長の加藤幸紀さん。送り手の高い意識と管理の徹底が、世界中の人々の安全で快適な生活を支えてくれている。
※Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicalsの略。
トナー式のプリンターだとトナーを熱で定着させるのでのりが溶ける恐れもある。オルフィスは定着に熱をまったく使わないので、シール用紙にも難なく印刷が可能。印刷コストも安い。
コンテナで海上輸送されるため、湿度や温度変化に強いインクが求められる。オルフィスなら、油性顔料インクを使用しているため水や紫外線にも強い。
輸出先や製品に応じた内容を、シール用紙に印刷。急性毒性、皮膚刺激性、可燃性または引火性ガス、呼吸器感作性、金属腐食性物質、皮膚腐食性などを示すマークがある。マークは赤と黒で印刷しなければならない。
「かつては何種類かのラベルのフォーマットを外注、内容はモノクロで印刷していましたが、ストック管理が大変でした。オルフィスなら無地のシール用紙に必要な内容を一度に印刷できます」と山下さん。ハガキサイズからA3サイズまで対応するので、面付けしてスリットの入ったシール用紙にも印刷が可能。もちろんカラープリンターとしても活用できる。
楠本化成株式会社
創業は1926（大正15）年。来年創業90年を迎える歴史ある化成品商社。化成品事業、添加剤事業、エタック（環境試験器）事業の3部門による事業を構成している。1956（昭和31）年よりオリジナル開発である高機能添加剤「ディスパロン」の製造も開始。塗料分野を始めとする世界中のユーザーに提供している。
左から、加藤さん、瀬戸さん、山下さん。
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理想科学工業株式会社 関東営業部 理想さいたま支店 営業1課 課長 大関 善孝
楠本化成様は、GHSラベル印刷の業務改善にいち早く取り組まれました。 オルフィスにより、コスト面、スピード面でもご満足いただけてうれしく思います。