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「理想の詩」Close Up(2021年秋号)

座学からワークショップ、公開制作まで!
充実の「リソグラフ」関連本出版記念イベント

東京・代官山 蔦屋書店でこの春開催された「Exploriso」展。「リソグラフ」の印刷の魅力に迫る勉強会やワークショップ、そしてアーティストによる公開制作や販売などが行われ、多くの来場者が訪れた。その現場の様子をレポートする。

イベント期間中、代官山 蔦屋書店の店内には、「リソグラフ」で印刷されたさまざまなグッズが所狭しと並べられた。

「リソグラフ」の魅力を楽しみながら体感する場に

「ドイツの出版社が『Exploriso: Low-tech Fine Art』を出版すると知り、ぜひ多くの方が『リソグラフ』の魅力を楽しみながら体感できる機会をつくりたいと思いました」と話すのは、代官山 蔦屋書店でデザインコンシェルジュを務める籔田千晴さん。同店では幅広いジャンルの本や雑誌を揃えているが、『Exploriso〜』が上級者向けの専門書ということもあり、今回広く一般の方も楽しめるフェアの開催を企画した。

勉強会は多摩美術大学情報デザイン学科の永原康史教授が講師となり、「ローテックプリント:印刷の楽しみ」「カラーノーテーション:色のつくりかた」のテーマで実施。色の回では、物理学者のニュートンや詩人のゲーテ、画家のマンセルらの色を理解するための取り組みなどを紹介しながら、光の色の三原色などを解説。参加者はさらに印刷に必要な版分けも学んだ。

続いて印刷スタジオHand Saw Pressの進行で行われたワークショップでは、赤、青、黄色の3色を重ねて花のモチーフを表現。版を重ねるごとに参加者からは「わあ!」「あれ?」などの声が上がり、不慣れながらもユニークな「リソグラフ」印刷体験を満喫している様子。

そして最後の公開制作に臨んだのは、クリエーターの加瀬透さん、本田千尋さん、大田拓未さん、anccoさんの4人。PCやタブレットを使って画像を作成し、「リソグラフ」の発色の具合を確かめながらポスター作品を仕上げていった。「その場で印刷できるスピード感とか色の発色の良さはテンションが上がるところですね」と大満足の笑顔だ。

「今回行ったのはポスター制作だけでしたが、今後は印刷から製本まで行い、一冊の書籍に仕上げられるといいですね」と笑顔で話す籔田さん。「リソグラフ」を基点に、印刷の仕組みや表現について学び、自ら実践し、クリエーターの表現に触れる盛りだくさんのイベントとなった。

「リソグラフ」勉強会では、花のモチーフを使い原稿づくりをレクチャー。参加者はブライトレッド、イエロー、ミディアムブルーを使った3色印刷に挑戦した。

現場ではクリエーターの公開制作によるリソグラフポスターが販売された。

『Exploriso〜』を出版したドイツ人アーティストTillakさんは「リソグラフでアート作品をつくるためのテクニックを紹介する本を制作したかった」と語った。

多摩美術大学・永原康史教授
シンプルな仕組みだが複雑なものに挑戦できる。工夫しやすく敷居が低いのが「リソグラフ」の魅力です。

Hand Saw Press・菅野信介さん
印刷の仕組みや色のつくり方を学ぶ機会を今後もつくり、リソグラフの良さを伝えていきたいですね。

Hand Saw Press・安藤僚子さん
国内外のリソグラフスタジオを結び遠隔での作品づくりをしてみたいです。

代官山 蔦屋書店
幅広いジャンルの書籍や雑誌はもちろん、文具やDVDなども揃え、カフェスペース、イベントスペースも併設された複合書店。東京・代官山に位置し、最先端のカルチャー、トレンド発信基地ともなっている。


お話を伺った籔田千晴さん。



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