HOME > 知る・学ぶ > 理想の詩 > 「理想の詩」Close Up(2021年冬号)

「理想の詩」Close Up(2021年冬号)

「リソグラフ」×「MiScreen a4」で実践学習!
美大生がワークショップで孔版印刷技術を学ぶ

この秋、東京都八王子市の多摩美術大学において開催されたワークショップに、デジタル印刷機「リソグラフ」、小型スクリーン製版機「MiScreen a4」が登場。美大生たちがカレンダー制作を通し孔版印刷について学んだ様子をレポートする。

ワークショップ体験後、完成したカレンダーを手に笑顔の参加者たち。右から、CMTEL 伊藤綾香さん、情報デザイン学科 チャン・スニンさん、CMTEL チャクスウェジ志保さん、絵画学科日本画専攻 宮本綾花さん、理想科学 高田、グラフィックデザイン科 小林滉佳さん。

「リソグラフ」「MiScreen a4」 で学ぶ新たな美術表現手法

「孔版印刷の技法を学び表現の幅を広げてもらえたら」「自分らしい表現ができるのを実感してほしい」と話すのはイベントを企画したチャクスウェジ志保さんと伊藤綾香さん。2人が運営する多摩美術大学の素材研究室CMTELは、専攻を問わず誰でも活用できるオープンスペースで、紙や金属などの素材や、刺繍ミシン、カッティングマシンなどのデジタル工作機械を常備。企業と連携したワークショップも多数開催し、学生に創作のヒントを提供している。

今回のテーマに選んだのは「リソグラフ」「MiScreen a4」を組み合わせたカレンダー制作。参加した学生たちは、まずはシルクスクリーンで知られる孔版印刷の仕組みや、「リソグラフ」と「MiScreen a4」の違いについて学び、続いて3色刷り、A3サイズのカレンダー制作に挑戦した。あらかじめ用意していた絵や写真を使い、2枚の原稿を作成すると、いよいよ「リソグラフ」印刷へ。色を調整しながら1枚目、2枚目と刷り重ねていくと、学生の間からは「面白い」の声が上がっていた。最後にカレンダー部分を黒インクで印刷し、「リソグラフ」の工程は終了。続いて「MiScreen a4」を使い、西暦や多摩美術大学のロゴを追い刷りしていく。PCでつなぐだけであっという間に製版が完了すると、「シルクスクリーンは普通製版に1日かかるのに、速いですね」と驚く学生も。その後各自好みのインクを選んでバランスを見ながら好きな位置に手刷りしカレンダーを完成させると、互いの作品を見ながら、表現の多様性や色の重なりの面白さなどについてしきりに講評し合っていた。

企画したチャクスウェジさん、伊藤さんも学生たちの反応に十分な手応えを感じた様子。「次は写真をCMYKの4色に分版してみるのも面白そうですね」「バッグやTシャツづくりも企画したい」と今後の展望を語ってくれた。創作意欲を刺激し、さらなる表現の追及をサポートする、孔版印刷の可能性が感じられるワークショップとなった。

※「Color Material Trend Exploration Laboratory」の略。

リソグラフ

さまざまな素材を組み合わせ原稿を作成した後、トレーシングペーパーを重ねて完成後のイメージを確認しながら色を選定。その後、色の出方を調整しながら「リソグラフ」で刷っていった。

MiScreen a4

あっという間に製版が終わると、シルクスクリーン印刷体験へ。スキージーで注意深くインクを乗せ、西暦と大学ロゴを印刷。カレンダーを完成させた。

CMTEL Color Material Trend Exploration Laboratory
多摩美術大学
CMTELのある多摩美術大学は1935年に多摩帝国美術学校として設立。東京の世田谷と八王子にキャンパスを擁する。初代校長は図案家の杉浦非水。「自由と意力」をモットーにアートやデザイン分野における優れた人材を送り出している。

『理想の詩』をお届けします。

本誌の定期送付(無料)をご希望の方は、ホームページの講読申し込みフォームまたは、ハガキに郵便番号、住所(希望送付先* 日本国内に限ります)、氏名(フリガナ)、電話番号をご記入の上、下記までお申し込みください。


・お申し込み先(ハガキ)
〒108-8385 東京都港区芝5-34-7 田町センタービル
理想科学工業株式会社 広報部『理想の詩』編集係

このページのトップへ