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「理想の詩」Close Up(2022年春号)

「MiScreen a4」が可能にする
教科横断型の新しい学びのかたち

理想科学は今年度、埼玉県久喜市教育委員会が主導するSTEAM教育モデル授業に協力。市内11の小中学校において、小型スクリーン製版機「MiScreen a4」を活用した“教科横断型”の授業を展開した。その様子をレポートする。

※科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Art)、数学(Mathematics)を分野横断的に学ぶことで、創造的な課題解決能力を育むための教育コンセプト。

久喜市教育委員会にてSTEAM教育を推進

「久喜市教育委員会では、久喜市版『未来の教室』という取り組みのもと『GIGAスクール構想』を推進しているほか、今後の教育の中核になると考える、STEAM教育にも力を入れています」と話すのは同教育委員会でGIGAスクール推進室長を務める川島尚之さん。「ただ、教科横断型のSTEAM教育には教科全体を俯瞰する視点、取り組みが必要で、各校が独自に行うには負担が大きい。そんなとき『MiScreen a4』の存在を知り、これならプログラミングと孔版印刷を組み合わせ、図工や技術、家庭科を結びつけた学びが可能になる、まさにSTEAM教育の実践に最適な教材と確信しました」と話す。

たとえば太田小学校での授業構成は、STEP1で、学習指導要領に沿って理想科学が準備した指導案に従い、先生が事前授業をし、STEP2で万華鏡図柄のプログラミング授業を実施。STEP3で「MiScreen a4」の仕組みを学び、実際に万華鏡デザインの製版、印刷を行う全10コマとなっている。

「『MiScreen a4』の教材としての魅力は、実際の”物“として残ることで、自分の生活の中に学びが返ってくること。そして自由にデザインし、形にするという創作の喜びが得られること。また科学技術とアートの連続性があり、科学や技術の観点で印刷の仕組みをわかりやすく体験できることです」と川島さん。授業をサポートした理想科学の大高聡も、「想像以上に子どもたちが自分で考え、試行錯誤し取り組んでくれた。『ものづくり』の体験は学びがより深まるきっかけになると思います」と手応えを語る。

「子どもたちは皆ワクワクしながら授業を受けています。この”ワクワク“できる教材をいかに提供し、学習設計できるかが、学ぶ意欲を引き出す重要な鍵になります。これからも各校の現場の状況に合わせ柔軟に対応できるコンテンツを提供するなど、実践的サポートを進めていきたいです」と語る川島さん。「MiScreen a4」が新しい学びの実践に貢献する姿がそこにあった。




久喜市立太田小学校6年生

プログラミングで作成した万華鏡図柄のランチョンマットづくり

STEP1では太田小学校の先生による万華鏡の図柄のデザインなどの事前授業。STEP2では、子ども向けプログラミング言語を使いプログラミング授業を実施。STEP3で孔版印刷と「MiScreen a4」の仕組みを学習後、万華鏡デザインを製版しランチョンマットに印刷した。

理想科学の大高はSTEP2において子ども向けプログラミング言語を解説。 

初めての体験に子どもたちの表情も真剣そのもの。

万華鏡デザインのランチョンマット。

久喜市立栗橋西小学校6年生

タブレットで撮影した学校の思い出の場所の写真を使った、卒業記念のエコバッグづくり

STEP1では卒業を控えた6年生が、各自2枚ずつ学校で思い出の場所を撮影。投票で6枚を選出。STEP2では孔版印刷とMiScreen a4」の仕組みを学習。6つのグループがそれぞれ写真を製版しエコバッグに印刷した。

思い出の場所の写真を印刷したエコバッグ。

久喜市立久喜中学校 支援学級1.2.3年生

全員が描いたイラストを1枚に集めた、思い出のタブレットケースづくり

STEP1では、卒業を控えた3年生の生徒の思い出になるよう、全員が描いたイラストをスキャンしデータを作成。STEP2では孔版印刷と「MiScreen a4」の仕組みを学習。代表生徒が製版を行い、3つのグループがそれぞれの色で布に印刷。STEP3では家庭科授業としてミシン縫いでタブレットケースを仕上げた。

全員のイラストが載ったタブレットケース。

お話をうかがった
川島尚之さん

久喜市教育委員会
平成25年度よりSTEAM教育への取り組みを開始すると同時に、STEAM教育研究委員会を設置。現在「久喜市版『未来の教室』」を推進。コーディネーターとして企業と学校を結び付け、各校で応用可能なSTEAM教育のモデルプランづくりを進めている。

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