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「理想の詩」Close Up(2023年夏号)

オリジナルデザインの包装紙が大人気!
障がい者の就労継続支援事業を印刷でサポート

新潟県十日町市にある障がい者福祉施設「ワークセンターあんしん」では、「オルフィス」で刷った包装紙でトイレットペーパーを包み、全国に販売。人気を博しているという。その現場を訪ねた。

トイレットペーパーの製造販売を行っている「ワークセンターあんしん」で働く皆さん。作業所内は明るく活気があり、笑顔であふれていた。

誰もが自立でき安心して暮らせる社会のために

NPO法人支援センターあんしんが拠点とするのは、日本屈指の米どころとして知られる新潟県十日町市。十日町駅を中心とする半径1キロ圏内において、障がい者の就労継続支援事業や生活介護事業など計8事業を展開している。「買い物や移動に利便性の高い駅周辺に施設を集中させることで、障がいがある方も当たり前のように地域の中で暮らせる環境を目指しています」と、事務局長の久保田学さんは話す。

同法人が就労継続支援B型事業として行っているのが、トイレットペーパーの製造販売。トイレットペーパーの原紙を芯に巻きつけ、裁断し、手作業で包装して箱に詰めるという一連の工程のなかで、障がいを持つ方それぞれができる作業を担っている。その包装紙印刷に活用しているのが「オルフィス」だ。同法人が独自に手がけるデザインのほか、オーダーメイドデザインも請け負っており、企業ノベルティやPR、記念品としての用途に全国から依頼が集まっている。また、誰もが日々使う日用品だからこそ、使うだけで社会貢献ができるとして、一般のお客様にも好評だという。

「非常に薄い特殊な紙を使用するため、普通のプリンターだと紙詰まりが起きて破れたり、色が出なかったりします。問題なく印刷できるのは『オルフィス』だけでした」と久保田さん。「あっという間に印刷が終わりますし、大手にはできない小ロットの注文も受けられるので大変助かっています」と笑顔だ。

同センターの利用者は毎月一定額の障害基礎年金を受け取ってはいるものの、一人一人が自立した生活を送るには厳しい額なのだとか。「こうした付加価値の高い商品をもっと世の中の人に知っていただくことで売り上げを増やし、理想的な工賃をお支払いできれば。働く喜びを感じてもらい、自立生活の実現をお手伝いできたら何よりですね」と久保田さん。障がいがある方々がより安心して暮らせる社会の実現のために、「オルフィス」が担う役割はますます大きくなりそうだ。

工場内に設置された機械を操作し、トイレットペーパーを一定の長さにカットしていく。

慣れた手さばきで、包装紙でトイレットペーパーを包む作業に専念する利用者の皆さん。それぞれが得意とする作業を担当している。

薄い包装紙に印刷できるプリンターとして、2008(平成20)年に最初の「オルフィス」を導入。トイレットペーパーの包装紙印刷以外にも、請求書や配達伝票印刷に活用しているほか、ダイレクトメール印刷も請け負っているそう。高速スキャナーを使って書類をデータ化、DXも進めており、日々「オルフィス」がフル稼働している。

十日町市のふるさと納税の返礼品になっていることもあり、全国津々浦々から注文が集まってくるという。

NPO法人支援センターあんしん
重度の知的障がい者の娘を持つ樋口功会長が、自ら「娘を預けられる施設を」と一念発起し、2002(平成14)年に母体となる事業所を設立。現在はグループホームやデイサービス、移動支援サービスなど8事業を展開、合わせて165名の利用者が登録している。

お話をうかがった久保田学さん。




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