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「理想の詩」Close Up(2025年夏号)

「VALEZUS」で新たな地平を切り拓く!オンデマンド印刷で実現する出版の未来

約半世紀にわたり出版物流事業を営んできた株式会社ニューブックは、現在新たにPODサービスを展開している。画期的な新事業を、理想科学のプロダクションプリンター「VALEZUS」がどのように下支えしているのか。その現場を訪ねた。

写真左から、今村さんと豊川さん。埼玉県三芳町にあるこの工場で多くの書籍が再販用に生まれ変わるほか、注文ごとにPODで製作され、依頼主のもとへ出荷されていく。

1冊から本を届けるPODによって日本の豊かな出版文化を残していく

株式会社ニューブックは、1965(昭和40)年の創業以来、書籍の再販流通事業を行ってきた。同社が現在新たに展開しているのが、出版社やコンテンツホルダーから預かった出版データを、注文に応じて印刷、製本するPODサービスだ。「市場が縮小する中、これまでのような大量印刷、大量消費の時代は終わりつつあります。必要な人に必要な本を必要なタイミングで提供できる、需要に応じた適宜生産こそが求められています」と語るのは代表取締役社長の豊川竜也さんだ。同社のPODサービスは大手出版社にも採用され、課題だった在庫圧縮の実現や、PODによる復刊本が再び人気を博すといった効果も生んでいる。
昨年からその印刷現場でフル稼働しているのが「VALEZUS」だ。「出版社による印字品質チェックを経て、本採用に至りました」と豊川さん。両面毎分320ページ※1という圧倒的な高速性能はもちろん、プロダクション用途としてはコンパクトな筐体、100V電源に対応しており設置場所を選ばない点などが後押しになったという。「現場の作業効率も格段に上がりました」と語るのは、オンデマンド事業部POD課の今村俊博さん。通常、出版物の印刷は、大判の印刷用紙に複数ページの印刷データを配置し、印刷後に仕分けし、断裁、製本という工程を踏む。一方、「VALEZUS」は1枚のカット紙に1ページずつ印刷するため、仕分けと断裁の2工程が不要に。人的ミスの予防と作業効率化につながったという。「用紙が正確に1枚ずつ給紙される機構や、起動時の待機時間の短さにも非常に助けられています」と今村さんは笑顔を見せる。
「コミックや補助教材はデジタル、熟読したり保存版にするなら紙というように、コンテンツ、カテゴリー、趣味嗜好による出版の個別最適化が始まっています。僕らの事業を通して、日本の財産である豊かな出版文化を残していけたら」と豊川さん。「VALEZUS」が寄与する出版産業の未来に期待したい。

「VALEZUS」の給紙ユニットに紙をセットする。エア給紙システムによって、密着しやすい用紙が重送することなく、高速で安定した用紙搬送が可能になっている。

両面毎分320ページ※1の高速プリントにより、あっという間に書籍本文のページが印刷されていく。

(左)余分な部分を断裁し、(右)あらかじめ別の印刷機で印刷、加工を済ませていた表紙をかけて、製本機で糊付けを行う。その後再度断裁仕上げを行い、1冊の本が完成する。

出荷を待つ完成品の書籍たち。工場内には、誰もが知る人気レーベルの一般書から、教科書や専門書など、出荷を待つさまざまな書籍が並ぶ。

VALEZUS T2100(基本構成)

両面毎分320ページ※1の高速プリント、最大8,000枚※2の大容量給紙などカット紙領域での圧倒的な生産性を誇るのが「VALEZUS」だ。

※1 A4横、プリント濃度:標準、2段階給紙ユニット、チャート:電子協標準パターンJ6/ver.1使用時。
※2 「理想用紙IJ(85g/m2)使用時。

株式会社ニューブック
創業時からの出版倉庫管理・物流事業に加え、2013年にEC物流をアウトソーシングする独自のオープンロジシステムを開発。2018年にPODサービスを事業分離させ、セルン株式会社を創業。両社の事業を通して「コンテンツの力で子どもたちのために世界を変える、未来を創る」ことを目指している。

営業開発部 営業開発一課 関口 敦史
微力ではありますが、出版・書籍の業界を少しでも盛り上げられたら嬉しいです。お客様のメリットと「VALEZUS」の販売拡大につなげ、双方がWin-Winとなれるよう今後も努めてまいります。

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