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教科横断で進めるSTEAM教育に 小型スクリーン製版機「MiScreen a4」が活躍:久喜市教育委員会
埼玉県久喜市では、GIGAスクール構想の開始前からSTEAM教育に取り組んでいました。そして令和3年度の2学期から3学期にかけて、市内11の小中学校でSTEAM教育モデル授業として、「MiScreen a4」を使って授業が行われています。GIGAスクール推進室長の川島尚之さんにお話を伺いました。
STEAM教育への取り組みは8年前から
オンライン授業もGIGAスクール構想導入前から視野に
ー久喜市はいつからSTEAM教育に取り組んでいるのですか。
平成25年度です。市内の小学校の一つが文部科学省の研究開発学校に指定されて科学技術教育の研究を担うことになり、ここでSTEAM教育※への取り組みをスタートしました。この取り組みを市内に広げるため、中核を担う教員を集めてSTEAM教育研究委員会を設置。それ以来、久喜市としての取り組みを継続し、現在は、次代の世界で活躍する“未来を拓く力”育む『久喜市版未来の教室』として全校で取り組んでいます。
ー令和3年度から全国でGIGAスクール構想が導入。
こちらへの取り組みはどのように進められましたか。
GIGAスクール構想は、児童生徒がパソコンやタブレットなどのICT端末を活用できるようにする取り組みで、STEAM教育を進める中で重要な要素です。久喜市では、多くの自治体と同様に年度初めにすべての児童生徒に1人1台のタブレット端末を支給し、導入から活用までスムーズに進んでいますが、この点でも先んじて研究をスタートさせていました。
GIGAスクール構想が明らかになったのは令和元年11月ですが、この年の夏休みからGoogleと共同して1人1台の端末導入の研究を始めていたのです。令和2年度に本格化させると、まず始めに行うべきなのは、安全にデータの編集や保存ができ、スムーズにアクセスできるワークスペースの設計と考えました。
当時はまだGIGAスクール構想の導入前で、専門職はいません。3人の指導主事がGoogleのサポートのもと、ゴールデンウィーク返上で設計を行いました。
ー端末の導入から活用までスムーズに実施できたのはなぜですか。
令和2年度の時点で、まず教職員の会議をオンライン化しました。ここで教職員の皆さんが端末そのものとオンラインの使い方に習熟できたのが、その後のスムーズな導入に繋がったと思います。
次に児童生徒に対する学習支援をオンライン。市内の小学校の一つをモデル校とし、児童に対し1人1台の環境を作ると同時に、モデル校以外の学校からもそれぞれ1名の教職員を委員として選出し、授業研究に参加しました。
この時の検証を踏まえて、令和3年度に全ての学校で1人1台体制を整えたというわけです。段階的に利用と研究を進め、導入時にはどの学校にも必ず理解している教職員がいるという状況を作ったことが、スムーズな実施につながったと考えています。
デザインの自由度があり、もの作りができる
印刷の仕組みも学べる、MiScreen a4
ーSTEAM教育の重要性についてお聞かせください。
STEAM教育こそがこれからの日本の教育の中核になると考えています。なぜなら社会で活躍する人材を考えたとき、課題発見力、解決力、協働力という汎用的な能力が必要だと思うからです。
STEAM教育の実施には、教科横断という視点があります。そのためには全体を俯瞰で捉えることが必要ですが、各学校が独自に行うのは負担が大きすぎます。そこで、教育委員会がコーディネーターとなって企業と学校を結んでモデルプランを作るというのが久喜市の考え方です。教育委員会が企業と一緒にSTEAM教育を研究していく取り組みを進めて行くなかで、注目したのが小型スクリーン製版機「MiScreen a4」でした。
ー「MiScreen a4」に注目された理由はなんでしょうか。
STEAM教育は、子どもたちがアイデアを出し合ってプレゼンして終わりにするのではなく、実践につなげることが必要です。
まず、小型スクリーン製版機「MiScreen a4」はものとして残せるのが大きなメリット。STEAM教育はSDGsと親和性が高いのですが、例えば「MiScreen a4」を使ったエコバッグ作りにより、自分の生活の中でSDGsを意識できるようになります。
2つ目に、学習指導要領上進めなくてはいけない課題としてESD(社会の問題を自らの問題として主体的に捉え身近なところから取り組むこと)がありますが、SDGs実現に向けたESDとしても価値があると思います。再びエコバッグを例に挙げれば、環境問題を自らの問題として主体的に捉え、エコバッグを作って活用するという身近なところからの取り組みであり、これがすなわち「think globally、 act locally」と言えるでしょう。
3つ目として、「STEAM」に『A』が入っていることでわかる通り、STEAM教育にはアートの要素が欠かせません。科学や技術とアートが連続することはSTEAMではとても重要なのです。この点でも「MiScreen a4」は有効だと考えます。
そして4つ目。科学や技術という点から印刷の仕組みをわかりやすく体験することができるのも、良い学びにつながるでしょう。
ー今回実施されているモデル授業は、どのように評価されていますか。
今回のモデル授業は、図工や技術、家庭科を結びつけた教科横断的な内容となりました。基本となる学習プランを元に、プリント前の工程は、プログラミングをしたり、絵を描いたり、写真を加工するなど、各校の先生が状況に合わせてアレンジできるのも実現しやすい理由だったと考えています。
各校では、子どもたちがワクワクした様子でもの作りをしていると聞いています。子どもたちの学ぶ意欲を引き出すのは、この「ワクワク」なのです。いかに子どもたちをワクワクさせて、自分から取り組むような学習設計ができるかが、STEAM教育のポイントです。この点でも今回のモデル授業は、抜群の効果があったと思います。
ー今後の取り組みについてお聞かせください。
これまで教職員の役割はティーチ=教え導く人でしたが、これからは子どもたちの主体的な活動をファシリテート=支援することが大切です。子どもたちがワクワクするような題材を考え、実現していかなくてはなりません。そのために、久喜市教育委員会は、今後も企業との連携も含めてよりよい学習プランづくりを進め、現場の先生方とも情報を共有して各校の状況により柔軟に対応できるコンテンツを提供するなど、実践的なサポートをしていきたいと考えています。
理想科学は、埼玉県久喜市教育委員会が主導する市内公立小・中学校11校を対象としたSTEAM(スティーム)教育のモデル授業に協力し、プログラミング授業や理想科学製小型スクリーン製版機『MiScreen a4』を使った総合学習授業を2021年度に実施しました。久喜市の取り組みについて、久喜市教育委員会 GIGAスクール推進室長 川島尚之さんにお話を伺いました。
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