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新渡戸文化中学校 : 生徒が主体的に授業を企画 - 体育祭で使うオリジナルTシャツづくり

2022年6月15日、新渡戸文化中学校でSTEAM教育モデル授業として、小型スクリーン製版機「MiScreen a4」(マイスクリーンエーフォー)を使った、体育祭で着るTシャツづくりが行われ、理想科学はそのサポートをしました。

生徒が主体的に授業を企画

参加したのは新渡戸文化中学校1〜3年生の全校生徒115名。9時30分と11時の2回に分けて実施された授業は、資料提示・進行含め生徒が実施。担当した美術教諭の川島恵先生は、「90分という限られた時間の中で、教師一人ですべての生徒に関わることは技術面だけでも現実的ではありません。この授業は子どもたちが目的を合意して互いに工夫や共創することによって実現しました」と話します。呼びかけに応じる形で、7名の生徒がTシャツデザイン制作や授業の企画運営に名乗り出たそうです。




オリジナルTシャツ制作に期待を膨らませる生徒たち オリジナルTシャツ制作に期待を膨らませる生徒たち

有志の生徒は授業1週間前の放課後に集まり、先生たちのTシャツを使って試し刷りを実施。小型スクリーン製版機「MiScreen a4」の使い方は映像や実践で学びました。あーでもない、こーでもないと手を動かしつつ、より良い形を模索して授業の進行・企画を検討する生徒たち。互いの気づきや学びを共有して「MiScreen a4」の使い方や手順を説明するスライドを作成しました。「スライドで説明するというアイディアは、これって口頭では伝わらないよね?という実体験の学びがあって生まれたものです」と川島先生。実際にデザイン・企画・運営に携わったメンバーの伊藤奈子さんは「放課後、スタッフみんなで集まって、実際に製版から印刷、仕上げまでを体験し、注意すべきポイントやコツなどをスライドにまとめました。授業に参加する生徒たちに事前に伝えられれば、スムーズに作業できるのではと考えました」と話します。

スクリーンに投影された説明用のスライド。1から6まで、手順が説明されている スクリーンに投影された説明用のスライド。1から6まで、手順が説明されている

体育祭のチームは4チーム。有志のメンバーが『共創』というテーマに沿って考案したデザインは6つ。この中から4つに絞る案も出ましたが、「どれも素敵なデザインはどれも選べた方がいいのでは?」と話し合い、<デザインは個人が選べる、色はチームで揃える>というのをルールにしました。各チームが選んだ色は、オレンジ、黄色、水色、青の4色です。ここでも事前の実体験が活きていて、「オレンジよりは黄色、青よりは水色が先に印刷したほうがいいよね」と有志の生徒がコメント。6種類のデザインと、印刷するためのマスター(版)を用意し、会場の動線をイメージしながら当日スムーズに進行できるよう入念に準備をしました。「デザインは『共創(共に創る)』というテーマから連想する言葉を115名全員から集め、そこからイメージするものを形に起こしたのが有志のメンバーです。彼らを見ていると、共創という言葉はものづくりの過程にこそ表れるものだと感じます」と川島先生。


授業の準備と内容

有志の生徒 事前準備(放課後)

(1)小型スクリーン製版機「MiScreen a4」の仕組みと使い方を学ぶ
(2)先生たちのTシャツを実際に刷る中で生まれた気づきや学びを共有
(3)90分の授業の時間配分と必要な説明内容を考える(スライドでポイントやコツを説明) 
(4)当日スムーズにプリントできるよう会場の配置・セッティングを準備(デザインやマスター等)

授業→生徒が進行する

(1)小型スクリーン製版機「MiScreen a4」の仕組みと使い方を学ぶ
(2)90分の授業の時間配分と必要な作業行程・注意事項を学ぶ(スライドでポイントやコツを説明)
(3)6種類から好きなデザインを選ぶ(デザイン毎に6つのテーブルに分かれる)
(4)「MiScreen a4」で製版したマスターでシルクスクリーンンプリントを体験


デザインごとに6つのテーブルに分かれます デザインごとに6つのテーブルに分かれます

115名の生徒全員がスクリーンプリントを体験

いよいよ授業が始まります。まず、有志の生徒が生徒全体に向けて、「MiScreen a4」の仕組みや使い方について、スライドを使って説明しました。工夫して作成した資料は、わかりやすいと好評。Tシャツプリントへの期待が高まり、生徒たちもわくわくした様子を見せました。

次に、実際に制作過程のポイント(制作のインクの量やスキージーの角度、道具の後片付けなど)について説明します。そして、ついに全員が制作にとりかかります。自分が選んだデザインを印刷できるテーブルへ各自移動。イメージしたことが本当にできるかな?とおそるおそる進めるも、枠をもち上げて刷り上がりを目にすると、あちらこちらで「わぁー」と歓声が上がり笑顔が生まれて、楽しそうにスクリーンプリントに取り組めました。生徒からは、「授業が進行するにつれ、徐々にTシャツづくりが楽しくなりました」「必要な手順がよくわかったのでうまく印刷できました」「実際に刷る時に、マスターを押さえたりしてみんなで協力して作業できました」などの声が寄せられました。

授業を進行した3年生の伊藤さんは、「今回うまく行くか不安なところもありましたが、有志の生徒以外の生徒も手伝ってくれて、とても楽しみながら実施することができました」と感想を述べました。

全生徒がスキージーを使ってスクリーン印刷を体験 全生徒がスキージーを使ってスクリーン印刷を体験
完成したTシャツ 完成したTシャツ

授業を終えて

川島先生は授業を振り返り、「『MiScreen a4』は表現手段の一つです。私は生徒にその存在は紹介しましたが、やりたい!と名乗りを上げて企画・運営してくれたのは生徒たちでした。今回の授業を通じて、実際に自分が感じて工夫すること、自分の言葉やデザインが形となること、そのことが誰かの笑顔を生み出す喜びや、協力してものをつくる楽しさ・面白さを感じた生徒は多かったと思います」と話しました。


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